ギターのジャックにシールドの代わりにワイヤレス機器を装着して演奏する事も最近ではXvive XV-U2などの低価格でまともに使える機器の登場ですっかり浸透した気がします。
最近では、インイヤーモニター環境についてもこれまたXvive XV-U4の登場でじわじわと定着してきている気がします。
今日は夏休みの自由研究のごとく、いくつかのワイヤレスモニター環境を自腹購入した上で、比較してみました。
検証環境について
モニタリング機器はAG WHP01Kというヘッドフォンを利用して行いました。
理由は単純に所持していたという事と、BluetoothコーデックAPT-X LLに対応しているので全ての機器のモニター機器として利用できるためです。
AG WHP01Kは1万円以下という価格帯ながら、APT-X LLに対応し、有線でも利用可能で、軽く、そこまで強力ではないですが普段使い出来る程度のノイズキャンセリング機能も搭載しています。普段使いするならだいぶオススメのヘッドフォンです。
オーディオインターフェイスはUNIVERSAL AUDIO ARROWを利用し、DSP上でギターアンプシュミレータを利用しています。有線で利用した場合、どれも実用上問題になる遅延は無いと考えてもらって問題ない状態です。
ギター用ワイヤレス機器はSENNHEISER XSW-Dを用いています。
Xvive XV-U4
遅延の無さ: (4.5 / 5) 音質の良さ: (4 / 5) 導入コスト: (3 / 5)
Xviveが投入してきたインイヤーモニターシステムです。モノラル出力という点を除けば、文句のつけようがないくらい良い出来です。
遅延も全く感じません。また、後述のPSM300よりも高音質です。最大伝送距離も27mあるので、アマチュアが出場する規模のライブハウスなら問題なく利用出来そうです。
遅延もPSM300と比べるとやや多い5msですが、全く感じないレベルで快適です。
自宅でもスタジオでも気軽にワイヤレスモニタリング環境を楽しむなら、コスト的にも間違いなくXV-U4を導入するのが良いと思います。
- 音質が良い(有線に近い音質で聴ける)
- モノラル出力
- 受信機を複数台配置出来る
- 導入費用はインイヤーモニターとしては安価
- 最大伝送距離27m
SHURE PSM300
遅延の無さ: (5 / 5) 音質の良さ: (3 / 5) 導入コスト: (1 / 5)
ライブ実績の多い定番のインイヤーモニターです。最大伝送距離60mなので、野外ライブでも活躍しそうです。
Xvive XV-U4はモノラルですがこちらはステレオ出力が可能です。ステレオ出力を生かして別々のソースを受信機側で好みの分量でミックス出来ます。
遅延0.7ms以下なので応答速度も十分です。サーっというノイズがうっすら乗りますが演奏中は特に気になるレベルではありません。
音質はXvive XV-U4と比べると正直少し籠ります。ただ、あくまでじっくり聴いた時の話で、ライブ中に気になることは無いと思います。
- ステレオ出力出来る
- 受信機を複数台配置出来る
- ライブ実績多数
- 導入費用が高い
- 最大伝送距離60m
- 音質は悪くないがXvive XV-U4に劣る
サウンドハウスで SHURE ( シュアー ) / P3TJR112GR-JB を見る
Wsky BT-B10
遅延の無さ: (3 / 5) 音質の良さ: (2 / 5) 導入コスト: (5 / 5)
aptX LLに対応したBluetoothレシーバー兼トランスミッター。aptX LLのLLはLow Latencyの略です。要は遅延が少ないってことです。
手に取ってみると想像以上に軽いけど決してチープな見た目ではないです。
稀にこれを用いてギターを弾いてる方がいらっしゃるのは知っていたのですが、実際遅延なく演奏出来るなら自宅練習にちょうど良いだろうなと思い気になっていました。
実際に使ってみると、若干遅延します。使い物にならない程度ではないですが、近い感覚としてASIO対応インターフェイスの応答速度を出来る限り短くしてVSTプラグインで鳴らした時の感覚に近いです。また、音質もPSM300をさらに曇らせた感じであまり良いとは言えません。
安価なので気軽にワイヤレス環境を楽しむ分には良いと思いますが、遅延を気にすることなくワイヤレス環境を構築するなら、他の機材を検討した方が良いと思います。
- 安価に導入出来る
- 多少遅延がある
- ステレオ出力出来る
- 音質はいまいち
bluetoothはLC3plusコーデックを採用した製品が市場に出てくると低遅延(5msほどらしい)・高音質で面白くなってくるかもしれません。