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よく聞かれる内容に”インターネットにつながらないのですが”ってのがあります。
インターネットにつながらないのって、普段意識しないけど、実際なってみると、かなりうっとおしいですよね。
何度もその都度やり方を書くのもどうかと思いますし、ここに書けば誰かの役にも立つかもしれないし。ってことで、今回はインターネットにパソコンがつながらない時のトラブルシューティング方法について記載してみました。
まず情報を整理してみる
どのようなネットワークであれ大枠で障害の切り分けを行い、どんどん単純化して考えていくのが良いと思います。例えばスイッチが何個あったとしてもルータが何個あったとしても通信は必ずケーブルのつながっている順番で行われるからです。無線LANだって極論言ってしまえばケーブルが見えなくなっただけですしね。
障害の原因を考えてみる
「昨日までネットが繋がっていたのに今日いきなり繋がらなくなったな・・・設定おかしいのかな・・・?」
というのは普通に考えておかしいですよね。
触ってもいない設定が勝手に変更される事は普通に考えてありえないことです。ただ、この時点で考えられる可能性としては、例えば以下のようなものがあるでしょう。
・機器が故障している
・サービスが停止している・変更になった
では何をもって機器の故障やサービスの停止や変更を判断すれば良いでしょうか?
機器が故障しているかどうかの判断
パソコン以外が故障しているかどうかの判断ってのは製品独自の内容というのがあるので、マニュアルを熟読するか、正直その機器のスペシャリストじゃないと分からないと思います。詰まる所ブラックボックスです。
でも逆に言えばブラックボックス以外に問題が無いのであれば”原因はブラックボックスにある”可能性が高くなる訳ですし、状況がうまく切り分けられればメーカーサポートに修理を依頼する時でも問い合わせをする時でも自信を持って言えますよね、壊れてますよ、これ。ってね。
パソコンが壊れているかどうかの判断
なんだか前置きが長くなりましたが、パソコンが壊れているかどうかの判断を行っていきましょう。おそらく本題を切り分ける際にはこのサイトの内容閲覧出来ないと思いますが・・・まあいつか覚えておけば役に立つと思います。
では、僕がいつも行っているインターネットに繋がらなくなった時の切り分け方法を順番に書いていきます。
操作している端末のOSはWindows XPですが基本的にどのOSでもコマンドはほとんど同じです。ただしOSによってコマンド名や実行方法に微妙な違いはあるかもしれません。
デフォルトゲートウェイに向かってPINGを送ってみる
ICMPっていうネットワークの診断に使うプロトコルがあって、主にこれに属するコマンドを使って障害を切り分けていきます。
とりあえずICMPなんて言葉は覚えてなくて問題無いです。流れとコマンド名だけなんとなく覚えていればなんとかなります。
ネットワーク障害の切り分けには主にコマンドプロンプトを使います。コマンドプロンプトの起動方法は
“スタート”→”ファイル名を指定して実行”→”cmd”と入力し→”OK”を選択
です。成功すると黒い謎の画面が立ち上がります。
ゲートウェイに向かってPINGを送ってみるにはまずデフォルトゲートウェイがどこにあるか分からなければいけませんよね。それではまずゲートウェイを探すコマンドを打ってみましょう。
“ipconfig”と入力してエンターを押します。
Windows IP Configuration
Ethernet adapter ローカル エリア接続:
Connection-specific DNS Suffix . :
Description . . . . . . . . . . . :BUFFALO WLI-U2-KG54 Wireless LAN
Physical Address. . . . . . . . . : 00-0D-0B-D6-F5-10
Dhcp Enabled. . . . . . . . . . . : Yes
Autoconfiguration Enabled . . . . : Yes
IP Address. . . . . . . . . . . . : 192.168.0.10
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0
Default Gateway . . . . . . . . . : 192.168.0.1
DHCP Server . . . . . . . . . . . : 192.168.0.1
DNS Servers . . . . . . . . . . . : 192.168.0.1
Lease Obtained. . . . . . . . . . : 2007年3月31日 17:37:54
Lease Expires . . . . . . . . . . : 2007年4月10日 20:37:54
すると謎の文字列が出てきたと思います。”IP Address”ってのは自分のパソコンに割当たっているIPアドレスです。ここでは”IP Address”ってのはネットワークに参加するためのIDだと思ってもらって構いません。
“Default Gateway”と書いてある先に書いてある番号が、このパソコンのデフォルトゲートウェイです。一般家庭や小規模なネットワーク等の場合デフォルトゲートウェイはルータになっている事が多いと思います。その場合にはとりあえずここでは
デフォルトゲートウェイ = ルーターのIP
と覚えておいて良いです。あとの値はとりあえず無視して問題無いです。また、この時”IP Address”の値に”169.254.xxx.xxx”という値が入っていた場合にはDHCPサーバに障害が発生している可能性があります。この場合にはDHCPサーバもしくは機能の設定を確認するか、IPアドレスを手動で割り当ててみましょう。
IPアドレスを手動で設定する方法は
“スタート”→”設定”→”コントロールパネル”→”ネットワークとインターネット接続”→”ネットワーク接続”
から通信に使っているデバイスのアイコンを選択し、”右クリック”→”プロパティ”と選択し、接続のプロパティが表示されたら”全般”タブで、”インターネットプロトコル(TCP/IP)”を選択し、”プロパティ”をクリックします。
“インターネットプロトコル(TCP/IP)のプロパティ”が表示されたら”次のIPアドレスを使う”にチェックを入れてIPアドレスを入力します。
IPアドレスを手動で選択した後インターネットに接続出来るようになった場合、DHCPサービスが停止している可能性があるので設定を見直してみましょう。
デフォルトゲートウェイが分かった事ですし、さっそくデフォルトゲートウェイに対して通信確認を行ってみましょう。
最近はパーソナルファイヤーウォール製品がこの通信確認用のパケットをブロックしてしまう事があるのでインストールしている場合は一時的に無効にしてください。無効にする方法はマニュアルを読んでくださいね。
“ping 192.168.0.1″とコマンドを打ってみます。pingってのは電話でいう「もしもし?」みたいなものです。相手に応答があった場合には
C:\Documents and Settings\hogehoge>ping 192.168.0.1
Pinging 192.168.0.1 with 32 bytes of data:
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time1ms TTL=255Ping statistics for 192.168.0.1:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 0ms, Maximum = 0ms, Average = 0ms
こんな反応が返ってきます。逆に応答が無い場合にはこんな反応が返ってきます。
C:\Documents and Settings\hogehoge>ping 192.168.0.1
Pinging 192.168.0.1 with 32 bytes of data:
Request timed out.
Request timed out.
Request timed out.
Request timed out.Ping statistics for 192.168.0.1:
Packets: Sent = 4, Received = 0, Lost = 4 (100% loss),
応答があった場合、パソコンからデフォルトゲートウェイまでは正常にケーブルがつながっている事が確認出来ます。逆に応答が無ければパソコンからデフォルトゲートウェイまでの通信が出来ていないことが分るわけです。
ネットワークインターフェイスが正常に稼働しているかの確認
このテストがうまくいかなかった場合、何を確認すれば良いでしょうか?そうです、パソコンのLANケーブルを挿す口が正常に稼働しているか確認する必要がありますね。この部分をLANカード、もしくはネットワークインターフェイスって呼ぶんですがこれを確認しましょう。
自分自身に通信確認する場合には”ループバックアドレス”と呼ばれる特別なIPを使います。
C:\Documents and Settings\hogehoge>ping 127.0.0.1
Pinging 127.0.0.1 with 32 bytes of data:
Reply from 127.0.0.1: bytes=32 time1ms TTL=128
Reply from 127.0.0.1: bytes=32 time1ms TTL=128
Reply from 127.0.0.1: bytes=32 time1ms TTL=128
Reply from 127.0.0.1: bytes=32 time1ms TTL=128Ping statistics for 127.0.0.1:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 0ms, Maximum = 0ms, Average = 0ms
“ping 127.0.0.1″とコマンドを打ってみて反応を確認します。この反応があればネットワークインターフェイスが元気に稼働しているのが確認出来ます。逆に昨日まで通信出来ていたのに急に通信が出来なくなり、”ping 127.0.0.1″とコマンドを打ってみた結果、反応が返ってこないようであればネットワークインターフェイスに障害があると言えます。この場合はネットワークインターフェイスの故障や設定を疑ってみましょう。
インターネット側に向かってPingを打ってみる
デフォルトゲートウェイまでの通信が確認出来たら、次はインターネット側に向かって通信確認をしてみます。とりあえず有名どころに向かってPingを打ってみましょう。GoogleやYahoo辺りが良いと思います。何故有名どころにPingを打つかというと、マイナーなサイトだとURLが変更になったりサイトが落ちたりするからです。確認作業に使うなら運営の安定したところを使うべきですよね。とりあえずYahooに向かってPingを打ってみましょう。
C:\Documents and Settings\hogehoge>ping google.com
Pinging google.com [72.14.207.99] with 32 bytes of data:
Reply from 72.14.207.99: bytes=32 time=184ms TTL=235
Reply from 72.14.207.99: bytes=32 time=184ms TTL=235
Reply from 72.14.207.99: bytes=32 time=186ms TTL=235
Reply from 72.14.207.99: bytes=32 time=185ms TTL=235Ping statistics for 72.14.207.99:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 184ms, Maximum = 186ms, Average = 184ms
通信が可能であればこのような結果が出ると思います。ここまで正常に通信が出来ているにも関わらず相変わらずインターネットに接続できない場合はブラウザの設定がおかしい可能性やソフトウェアファイヤーウォール(ノートンインターネットセキュリティ等)が有効になっていて通信をブロックしている可能性もあります。
DNSの動作確認
GoogleやYahooに向かってPingを打ってみて応答が無い場合、DNSの動作も確認してみましょう。DNSってのはサイト名とIPアドレスの変換を行うサービスの事です。普段ブラウジングを行う場合にサイト名でアクセス出来るのは、ブラウザ等のURL欄に”http://google.com”や”http://yahoo.co.jp”なんて入力しますよね?これをDNSが自動的にIPアドレスに変換しているからなんです。
というわけで、Google.comをIPアドレスに変換出来ているか確認してみましょう。確認にはnslookupというコマンドを使います。
C:\Documents and Settings\hogehoge>nslookup google.com
Server: hogehoge.local
Address: 192.168.1.1Non-authoritative answer:
Name: google.com
Addresses: 64.233.167.99, 72.14.207.99, 64.233.187.99
DNS名をIPアドレスに変換する機能が有効になっていればこのような結果が帰ってきます。
DNSが名前解決(URL名をIPアドレスに変換する事)が出来なかった場合には以下のような回答がnslookupの結果として表示されます。
*** hogehoge.local can’t find hogehoge.comm: Non-existent domain
別のDNSサーバを参照してnslookupを実行してみる
例えば自宅環境ならDNS設定はデフォルトゲートウェイになっている事が多いと思います。
しかし上記のように指定しているDNSサーバに対して名前解決が出来ていなかった場合には別のDNSサーバを参照してみましょう。
例えばプロバイダぷららのDNSサーバを使う場合には以下のように入力します。
Server: exnsa.plala.or.jp
Address: 220.220.248.1Non-authoritative answer:
Name: google.com
Addresses: 64.233.187.99, 64.233.167.99, 72.14.207.99
このように名前解決が可能だった場合にはパソコンに設定されているDNSサーバに障害が発生している可能性があります。自宅のルータがDNSサーバアドレスに設定されている場合には設定を確認してプロバイダで指定されているDNSサーバが変更になっていないか等を確認してみましょう。
便利アイテム
無線LAN機器の接続が不安定で困っている場合には、以下のようなイーサネットコンバータを利用すると便利です。
パソコンの代わりに機器が無線LAN接続を行いますので、あとはその部分にパソコンのLANケーブルを挿しこむだけで利用出来ます。
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