プロローグ
2007年1月1日深夜の事。
DJ OZMAのやり過ぎ紅白歌合戦を見終わった後、夜もたけなわ、年賀メールをこつこつと送信しつつ、初詣に出かけようと考えていた。元旦はJRも休まず営業しています!みたいなことを僕はどこかで見た気がして、それなら初詣は川崎大師だろう。みたいな事を思ったんだけど、当日になって最寄のJRの駅に電車が通っていないことが判明。まあ、調べろよ・・・といえばそれまでなんだけども。
しょうがないから交通手段の最大手、自転車でJRの運行が行われている駅まで行こうと思い外へ出たは良いものの・・・ものすごく寒いじゃないか。どうしたものか。
そうだ、タクシーにしよう、タクシータクシー。と思い、料金検索してみると4300円也。た、高いな・・・しかし。一人コントをやっているとどうやら僕を駅まで車で送ってくれるという声が・・・。うーん、良いですね、実家暮らしってのは。
というわけで僕はめでたくちょっと遠いJR大船駅までめでたく到着し、川崎大師へと初詣に出かけたわけです。
甘くなかったぜJR
僕は計画性の無い男で、と言えば聞こえが悪いか。高校の頃「俺はレールの上を歩きたくないんだ!」といって進学しないで左官職人になった友達よろしく、行き当たりばったりな行動が好きなんです。後戻り出来ないような事は僕もある程度考えたりしますが、今回の事を簡単に言うならば、川崎大師は目的じゃなくて、あくまでも目安なわけですよ。僕の目的は屋台なんです。楽しい旅路なんです。
一応最寄から川崎大師までの行き方はGoogleさんで調べていたわけです。Googleの検索ウィンドウに”大船から川崎大師”と入力すると大船から川崎大師までの乗り換え案内の検索出来るんです、知ってました?
”川崎大師なんて名前なんだから川崎駅から近いんだろう”と思っていたんだけど、どうやら夜中に動いている電車は川崎を経由してくれないらしく、替わりに”新川崎”っていう駅を経由してくれていた。とりあえず川崎から近いだろうと推測し、過程の目的地を”新川崎”に設定してゴトゴト電車に揺られ新川崎へ。
なんだここは?山梨県か!
僕は川崎にまで来て軽い衝撃を受けてしまった。駅のホームを出ると、そこには野山こそないものの、ひと気の無い寂れた景色が広がっているではないか。辺りの気温の低さと久し振りの閑古鳥が鳴きそうな景色を見ていて僕は以前住んでいた山梨県を自然と思い浮かべてしまった。そして僕は思った。
もしや”間違えた駅に着いてしまったのでは”と!
まあ、とにかくここまで来てしまったのだからとタクシーを探したんですが、これがなかなか見つからない。というかひと気が無いし!10分くらいしたときかな?タクシーのおっちゃんがイヤイヤ止まってくれて「どこまで行くの?wもう帰るんだけどwwww」とか。笑い過ぎだし!
やっと辿り着いた川崎大師
結局、新川崎から川崎大師までは1920円だったかな?結構高いですな。まあ、とりあえず川崎大師について人の多さに”街に帰ってきたのだな”という安堵感を覚えました。
人はすごく多くて街も賑わっていました。左右からは”とんとこ飴切り”っていう技を使った職人達が、まな板の上で包丁を使い縦横無尽に飴を切り刻むその音が心地よく耳に飛び込んできます。・・・が、よく見ると音を出している時は飴を切っていません。リズムを刻む時は、包丁を逆に持ってまな板が切れないようにちゃんと工夫していましたが、”とんとこまな板切り”になっていますね。
参拝の様子。過激に混んだりはしていませんが、それでも人は多いですね。時刻は午前3時くらいです。奥のほうにプラカードを掲げた人が何人か居て、その人が笛の合図で”進め”とか”止まれ”とかプラカードで指示するわけです。人間椅子じゃないですが人間信号です。「人間が信号をやる姿が忘れられなくてね・・・」なんて思っているのでしょう。ある意味奇特です。
僕は財布の中に入っていた小銭を全てさい銭箱に投げ入れました。小銭を全て投げ入れるなんて本当、男らしいです。
屋台の様子。表通りの屋台はものすごく人が居たんですけど、参拝路の屋台はどこもそんなに混んでいなかったです。僕はどこまでも参拝気よりも食い気なんですが、世間は違うみたいですね。
帰り際、参拝路の奥のほうにあった”モツ煮”の屋台です。最初この屋台の裏を歩いていたんですがものすごい臭いで、住所不定のおじさんがたくさん居るのかと思いました。がどうやらモツの臭いだったようです。このモツ煮食べたんですが結構美味しかったですよ。脂ののった九州の本場のモツ・・・じゃなくてわかりやすく言えば、コテッちゃんの煮込みです。