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近年HDDもじわじわとTB時代に突入してきたのと、最近、再度ファイルサーバの構築がやりたくなってきたので、以前自分が構築した自宅用ファイルサーバの失敗点も踏まえ、再度ファイルサーバを構築する場合に、何を目標に構築すればいいのか考えてみました。
バックアップの方法から、自動的にバックアップを行うためにはどうすればいいのか?までを記載しましたが、機会があれば、また続きに関しても記載したいと思います。
購入時はミニマム導入を心がける
以前僕は、3ware 9650SE-8LPMLというSATAのHDDが8台接続出来るRAIDカードを買ったんだけど、未だにHDDは4台しか接続していなかったりして、実は買うべきだったのは3ware 9650SE-4LPML Kitなんじゃ無かったのか・・・?なんてふと今になって思ってしまいました。
3ware 9650SE-8LPMLを買ったのは一昨年の6月ですから、若干気付くのに2年近くかかってしまった事になります。
失敗した今だから書ける事ですが、自宅と言えども、何かしらのシステムをお金をかけて構築する場合には、最低でも2~3年利用する価値があるのか?を考えてから購入するべきだと思います。
「将来的にHDDは8台構成くらいにはなるだろ・・・」とか、「まあまあ、どうせ買うなら接続ポートが多い方が良いだろ・・・」なんて考えて以前ファイルサーバを構築したのですが、結局、拡張性については、自分の場合あまり必要では無かったようです。
HDDに関しては、2年前に500GBのHDDを購入した時、たしか1.4万円程度だったと思います。今は1.5TBのHDDが1台で1.3万円程度ですから、この調子で今後も行くのであればDISKを増設するよりも、交換するイメージで利用した方が割安かもしれません。
必要なデータは何なのかを考える
RAID構成でファイルサーバを構築し、その中に必要なデータを冗長化して全部突っ込んでおく。という考え方ももちろんありですが、果たして全てのデータを常にオンラインにしておく必要があるのかどうかを考えなければなりません。
大容量DISKアレイを必要とするデータの代表格に、おそらく動画データがあると思いますが、おそらく、動画データの半分以上は消せないけれど、直近必要の無いデータなのでは無いでしょうか。
ただし、オンラインでいざ保存しておこうとしても、HDD容量がかなり大容量になった現在では、データを都度、DVD-Rにバックアップして行くのにも、かなりの労力と時間が必要になってしまうでしょう。
例えば、1TBのデータをバックアップする場合、DVD-R、BD-Rでそれぞれ、以下の枚数が必要になります。
DVD-R → 約213枚(4.7GB換算)
DVD-R DL → 約118枚(8.5GB換算)
BD-R → 約40枚(25GB換算)
BD-R DL → 約20枚(50GB換算)
BD-Rや、BD-R DLならまだ枚数的に、許容範囲内かもしれませんが、それでもバックアップにはかなりの時間と労力が必要になります。
DVD-Rに1TB分のバックアップを行おうとする事に関しても、もはや現実的とは言えません。
HDDがどれほど長期保存に向いているのかは分かりませんが、やはり大容量のデータをバックアップしておく保存場所にもHDDを利用するのが容量的に妥当なのでは無いかと思っています。
HDD以外の選択肢で言えば、LTO(Linear Tape-Open)を利用すれば800GB~最大で1.6TBのデータを一本のテープに保存する事は可能ですが、価格がHDDと比較して高額ですので、自宅利用するには有効な手段とは思えません。
※LTO4の話です
肥大化してしまったファイルサーバ上のデータをどうにかする方法は、正直データを消すか、退避させるかしか無いと思います。
例えば、保存されたデータ自体の重要度を定義して見るのも有効な手段です。
・絶対に消えたらまずいデータ
・消えたらショックの大きいデータ
・消えても別に構わないデータ
・どっちかというと、必要ないデータ
まあ、簡単に分けられれば苦労しない訳ですが、先にこの定義に基づいてフォルダ構成を作ってしまえば、そこまで難しい事も無いのかなと思っています。
また、このような定義を、例えば作成日によって定義出来たりすると、自動的にメンテナンス出来そうですし、便利に使えるのでは無いでしょうか。
ファイルサーバ整理の自動化の例
ROBOCOPYを使って一定期間が過ぎたファイルを自動的に退避させる
例えば、1年以上前に作成された全てのJPG画像を移動させる場合などは、リソースキットに含まれるROBOCOPYを使えば簡単に出来ます。
例えば、Cドライブのhogehogeというフォルダの中に含まれる120日以上前に作成されたJPGファイルを、Dドライブのhogehoge2に全て移動させる場合には以下のコマンドを実行します。
“/MOV”の代わりに“/MOVE”を使用すると、移動後、空になったフォルダは自動的に削除されます。
このようなスクリプトをタスクスケジューラを利用して定期的に実行する事により、自動的に特定の条件を満たしたファイルを移動させる事が簡単に出来ます。
データに対する重要度を定義する事に成功すれば、robocopyを利用して、例えば以下のように、DISKコストの低いDISKに順々にコピーしていくことにより、最新のHDDを購入する事無く、ファイルサーバを一定の容量のまま末永く使っていくことも可能です。
RAID 1+0 > RAID 5 > シングルHDD(もしくはメディア)に退避してオフライン保存
ROBOCOPYについてもう少し知りたい場合には、以下のサイトを参照してみてください。
“MINAGE”や“MAXAGE”以外にも、“MAXLAD”、“MINLAD”を利用する事により、最終アクセス日に基づいた制御も可能ですが、アンチウイルスアプリケーションの自動巡回等でもこの日付はおそらく更新されてしまうため、そのような環境ではあまり利用出来ないかも知れません。
同じような仕組みで、DVD-RやBD-Rに自動的に書き込むスクリプトを仕込んで、小まめにバックアップをメディアに実施しておく事も考えたのですが、小まめすぎそうなのでこちらについては割愛しました。
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